Rhizome

Rhizome

Boris LABBÉ

圧倒的な緻密さと極端な構図で展開される短編アニメーション作品。最小単位から無限に生成される世界は宇宙そのものであり、変容を続けるすべての要素が相関し、影響しあっている。タイトルは、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズと精神科医フェリックス・ガタリの共著『千のプラトー』(1980)で複雑に展開されるRhizome(リゾーム)の概念からつけられている。本作では、そのリゾームの原則を網羅しながら、生物学的な意義と哲学観の考察が試みられている。作者によれば、スティーヴ・ライヒの音楽のコンセプトとエッシャーの数学的な作品、そしてボッシュやブリューゲルの絵画と、遺伝学のような生物の進化に関する理論やミクロとマクロの関係などの要素のあいだに生まれてくる何かをつくりたいと考えるなかで、このドゥルーズとガタリの概念が頭に浮かび創作につながったという。若い作者の興味と欲求を具現化した独創的な作品である。
11分25秒

[短編アニメーション|フランス]
第19回アニメーション部門大賞受賞作品

© Sacrebleu Productions