君の名は。
新海 誠|SHINKAI Makoto
『秒速5センチメートル』(2007)や『言の葉の庭』(2013)など、意欲的な作品を数多くつくり出してきた作者による劇場アニメーション作品。山深い田舎町の女子高生・宮水三葉(みやみずみつは)は、ある日、自分が東京の男子高校生になる夢を見る。一方、東京で暮らす男子高校生・立花瀧(たちばなたき)も、山奥の町で自分が女子高生になっている夢を見る。繰り返される不思議な夢と抜け落ちた記憶や時間から、三葉と瀧は自分たちが夢のなかで入れ替わっていることに気づく。2人は戸惑いながらも現実を少しずつ受け止め、互いに残したメモを通し、ケンカをしながらも状況を乗り切っていく。千年に一度の彗星来訪という出来事を舞台に、少女と少年がお互いを知り、求めあう恋と奇跡の物語。世界の違う2人の隔たりとつながりから生まれる「距離」のドラマを、圧倒的な映像美とスケールで描き出している。作者による緻密なロケーション設定とそれを支える確かな風景描写に、世界観を持った音楽が加わることで、ファンタジックな物語をより強いリアリティとともに表現している。
1時間47分
[劇場アニメーション]
第20回アニメーション部門大賞受賞作品