ワークショップ参加レポート『スカモン・ラジオ~めんげえトーク~』|Vol.1

自分のチカラで「なにか」を起こせるようになってみたい…。みんなのそんな想いに応えるべく開催されているワークショップ「須賀川メ芸ヒューマンライブラリー」。
テクノロジーの進歩によって日々どんどんと変わっていくメディア芸術の「表現」のことをみんなで考えながら、天才アーティストじゃなくても、技術や文化についての深〜い知識がなくても、誰でも「なにか」を起こせるようになるためのヒントをみんなで探しています。

この記事ではワークショップ参加者の「あべちゃん」と「あんざいちゃん」の二人による架空のラジオ番組を通して、各回の模様をお伝えしていきます。全五回のワークショップを通して、果たしてふたりは「なにか」を起こすことができるのでしょうか!?
今回は、「理想のメ芸を目指して“プロジェクトの種”を蒔こう!!」として10月20日に開催された第一回のレポートをお届けしていきます。

※第一回の事務局レポートはこちら
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●理想のメ芸を目指して“プロジェクトの種”を蒔こう!!

▶︎ あべちゃん
『スカモン・ラジオ~めんげえトーク~』いよいよはじまります!(パンパカパーン!)
あべです!!

▶︎ あんざいちゃん
いえーい!あんざいです!!

▶︎ あんざいちゃん
第一回は、班に分かれての自己紹介から始まりましたよね、たしか…。

▶︎ あべちゃん
そうでしたね!緊張とワクワクだった…!

▶︎ あんざいちゃん
初めて出会う人、年が離れている人もいるなかで、みんなどんな人なんだろう、ってワクワクしながら自己紹介を聞いて、みんな怖い人ではなさそう…って分かってほっとしました!緊張がすごかった!でもそれもはじめだけでした!

▶︎ あべちゃん
最初に、過去の文化庁メディア芸術祭地方展の映像を見ましたね。

▶︎ あんざいちゃん
楽しそうで面白そうな過去の映像を見て、これが須賀川にも来るんだ!ってすごくワクワクしました。

▶︎ あべちゃん
so,so!具体的なイメージができたよね。須賀川だったらどんなふうになるんだろう!って!

▶︎ あんざいちゃん
須賀川の人たちもきらきらの笑顔を振りまいてくれるようなメディア芸術祭になるのかな、楽しみで待ちきれないな~~。

●自己紹介ワークショップ
〜「鉄」ってなんですか?〜

▶︎ あべちゃん
この日のワークショップは3つのコーナーがありましたね。1つ目は「自己紹介ワークショップ」!なるべくたくさん「自分に関わる何か」をA4用紙の枠に書き込むもの!

▶︎ あんざいちゃん
そうでした!もくもくと書いているうちに緊張がどこかに行っちゃいました!(笑)

▶︎ あべちゃん
時間制限があって「負けないぞ!」って思って、わたし、負けず嫌いだなあって再認識。

▶︎ あんざいちゃん
半分無理やりひねり出したけど、そのおかげで自分ってそういえばこんなことにも興味があったんだなあって再確認もできて面白かったですね~。

▶︎ あべちゃん
好きなものとか興味のあるものは何かしらあるけれど、普段、文字に書き起こすことはあまりなかったから、自分と向き合える時間があったのはとても良かったなって思います。
他人と向き合う前に己と向きあえ!的な。

▶︎ あんざいちゃん
案外自分のこともあらためて見てみると深いものですよね…(笑)。

▶︎ あべちゃん
so,so!手汗もすごかった!

▶︎ あんざいちゃん
得意なことを書けって言われたらできなかったかもしれないけど、なんでもいいから関係していることというお題だったからたくさん書けました。

▶︎ あべちゃん
so,so!そこもミソだと思いました!「関係している」ことね!

▶︎ あんざいちゃん
今までは得意だとか好きだとかって自信を持てなかったことも実は自分にとって大切なのかも、とか思えていい時間だったな~!

▶︎ あべちゃん
お!とてもいいことば!!名言だなぁ…!(染みる)

▶︎ あんざいちゃん
そしてじぶんで自分を見るだけじゃなくて、その次のステップで他人から自分を見てもらえたのもよかった!自分で気づけない自分にもそこで気づけるんですよね。

▶︎ あべちゃん
その書いたものを同じ班のメンバーに見せあったときですね。ちょっと恥ずかしかったなぁ。でも、みんながどんなことを書いたのか気になってワクワクしていました!

▶︎ あんざいちゃん
恥ずかしい…たしかにそうだったかも。
私は自分のことよりみんなのことを知りたくて必死に小さな枠の中の文字を読んでいました(笑)。
そして「鉄」に出会うことになるんですけど…。

▶︎ あべちゃん
なにそれ知りたい!「鉄」って?!

▶︎ あんざいちゃん
私は頑張って150個ある枠を埋めたんですけど、反対にあんまり枠が埋まっていない人も班の中にはいたんですよ。でも、私はその人のこと知りたくて枠の中を一つ一つ覗いたんです。そしたら…「鉄」の1文字が描いてあったんですよね。もう気になって気になって聞いちゃいました、その人に。
「鉄って何ですか??」って(笑)。

▶︎ あべちゃん
150個挙げるのも楽じゃない…!確かに「鉄」は気になる…!そしたら?!

▶︎ あんざいちゃん
そしたらその人は、シンプルに鉄が好きだったんですよ。音だったり、触り心地だったり。

▶︎ あべちゃん
純粋な理由!

▶︎ あんざいちゃん
友達にも言ったことはなかったみたいなんですけど、私たちの班のみんなはそれがなんだか素敵だなーって思っちゃって。

▶︎ あべちゃん
五感を通して「鉄」が好きなんですかね?うんうん、とてもいい!

▶︎ あんざいちゃん
どうなんでしょう、そうかもしれません。「こことかここが好き」っていうよりは「なんか好き!」という感覚なのかなあ、と聞いていて思いました。

▶︎ あべちゃん
なるほど…!

▶︎ あんざいちゃん
みんな鉄に衝撃を受けすぎて、その後もずっと鉄のことを考えるようになっちゃったんですけどね…(笑)。だって「鉄が好き!」な人にはなかなか出会わないですもん。

▶︎ あべちゃん
そうだったんですね…!確かに、わたしの班も「ゲーム」や「舞台」「らーめん」とかのワードが出てきてどうにかこのワードたちをつかってなにか新しいアイデアがでないか考えていました!

●リサーチワークショップ
〜「調べる」ってどんなこと?当たり前を疑ってみる〜

▶︎ あべちゃん
じゃあ、二つ目の「リサーチ」に関するワークショップでなにか心に残ったエピソードありましたか?どんな方法で作家について調べるか、みんなで考えようという内容でしたね。わたしの班は「インターネットで検索」や「美術館や博物館の学芸員に聞く」、その他に「作家のインタビューのweb記事」、「作家の家族に話を聞く」とかが案として挙がりました!

▶︎ あんざいちゃん
私の班もあべちゃんのところと同じような意見と、あとは、作家さんのTwitterだったり、SNSを見るという意見がありました。それから、作家さんが制作にあたって影響を受けたものから調べるという考えもあって、影響を受けた作品、作者さんを調べる、作家さんの生きた時代背景を調べるなども出てきました。

▶︎ あべちゃん
なるほど~(めっちゃうなずく)。作家の時代、生活環境、まわりから探ってく感じか…。

▶︎ あんざいちゃん
その人自身が直接残したものから探る方法と周りから探る方法があって、面白いなーと思いました。

▶︎ あべちゃん
付箋にどんどんアイデアを書いて、白い大きな模造紙に貼っていったんですよね~。他の人のアイデアをみて「わたしのと似ているもの」は移動させて隣に貼ったり。

▶︎ あんざいちゃん
私、自分のプリントを見せ合うよりも大きい紙に付箋を貼っていく作業大好きなんです!

▶︎ あべちゃん
うんうん。自分が思い浮かばなかったアイデアを出す人も、似たような考えを持っている人もどちらもいて嬉しかったな~。「人っておもしろいな」って。大きい紙を広げてね、それだけでもわくわくする!

▶︎ あんざいちゃん
紙の上で付箋を移動させていく作業も、付箋一つ一つの解釈が人によって違うのもこの作業だとやりやすいなって思いました!発言がしやすい!

●理想のメ芸須賀川展を考えるワークショップ
〜みんなのチカラで「なにか」を起こせ!!〜

▶︎ あべちゃん
3つ目のコーナーは「理想のメ芸須賀川展」を考えよう!こっちの班は「詩の朗読会」の案が出ました!

▶︎ あんざいちゃん
あとはあべちゃんの班で出ていたものだと「須賀川メ芸は眠らない」っていう、夜も楽しめる展覧会っていうのもとても魅力を感じました。こちらの班ではやっぱり「鉄」に関連する案がたくさん出て…(笑)。私が一番面白いなって思ったのは、チャンバラ大会ですね。その大会では二人組で鉄の刀でチャンバラをするんですが、審査内容はその音だけなんです。

▶︎ あべちゃん
審査内容が「キンッ」「カキン!」の音って!!(爆笑)。どっちが勝っても負けてもおもしろい!!というか勝ち負けの基準がよくわからなくておもしろい!!

▶︎ あんざいちゃん
なかなかシュールで面白いですよね(笑)。すごくやってみたいなあって思いました!

▶︎ あべちゃん
うんうん、あとは、わたしの班では、「展示」っていうと作家やアーティストが作品を設置して見せるのが普通だけれど、違う視点でみると、私たち須賀川の地域のみんなは「いらっしゃい~」って作家さんをお出迎えする側だなって思って。それで、「作家やアーティストに手紙を書く」という案が出ました。作家と地元のみんなの心の距離がぐっと近くなる予感。

▶︎ あんざいちゃん
なるほど~!素敵!展覧会の考え方が変わりそうですね、人同士、アーティストと地域の人がつながったら、展覧会の持つ意味がぐっと広がりそう!

▶︎ あべちゃん
so,so,so!なんか、ただ単に作家の展示、今回のワークショップに参加した人の作品、展示に足を運ぶ人が今までのメディア芸術祭にはない、心の距離の近さというか、寄り添う気持ちというか…うまく言葉にできないのが悔しいんだけれど、福島をよく知らなくても、作品がよく分からなくても同じ「人」として繋がりたいな。

▶︎ あんざいちゃん
作品がただ須賀川に来て去っていくだけじゃない、もっと意味のあるものになったら素敵です!

●可能性が広がる秘密基地
〜須賀川市民交流センター tette〜

▶︎ あべちゃん
ワークショップの終わりには、1月11日にオープンする予定のtetteを見に行きましたね。あんざいちゃん、どうでした??

▶︎ あんざいちゃん
ずっとずっと行ってみたかったのでうれしかったです!

▶︎ あべちゃん
わたしは、なんか大変なものができてしまったんだなと…(笑)。

▶︎ あんざいちゃん
tetteの前に元々あった施設によく行ってたんですけど、その施設とか普通の施設は四角、というか、硬い感じがするんです、でも、ここはそれが違いました。

▶︎ あべちゃん
わくわく止まらなかったですよね!よりいっそうtetteのオープンと2月のメ芸須賀川展が楽しみになりました!

▶︎ あんざいちゃん
曲線が至るところにあったり、天井で区切られすぎていない吹き抜けがあったり、見た目からワクワクが湧いてくる建物でした。秘密基地みたい!

▶︎ あべちゃん
可能性が広がる秘密基地…!

それじゃあ、お時間にも近づいて参りましたので。

▶︎ あんざいちゃん
まだまだ話は尽きませんが今回はここまで!

▶︎ あべちゃん
次回も『スカモン・ラジオ~めんげえトーク~』をお楽しみに!